家族の反対にあって本が書けない!?
本の出版の仕事をやっていて、著者と家族内の対立を見てきました。
私は、本を書きたければ自由に書けばいいし、事情が許せば自分の意思で出版を決めればいいと思うのですが、どうもそうではない場合があるようです。
私が遭遇したケースは、家族の反対によるものと、自分との戦いに勝てなかったケースです。
結論から言うと、どちらも「自分の意思が弱かった」につきると思います。
1つは、本人はやる気があっても、家族が猛反対するケース。今回はそのお話。
これは、最初、金銭が問題になることがほとんどです。が、掘り下げると問題は違うところに。
家族はOKしたという嘘をついて本を出版しようとする危険
自費出版というと、どうしても悪いイメージを持っている人がいます。で、著者本人が、最初から本を出版するんだと頑張って、家族公認で本を書いている場合は家族の応援も受けやすいです。
が、だまって本を書く、あるいは、家族にだまって出版社に相談をし、話をまとめてしまうというケースもあります。このような場合は、たいてい契約段階になると家族が出てきて、出版を必死で止めようとします。
たとえば、100万円で本が出版できるとしましょう。これが、著者は「お値打ちだし、この出版社だったら信頼できる」と判断したとしても、家族が同じ価値で「うん」と言うかどうかは別だということです。
私は、ご家族が絡む出版の契約をするときは、必ず「ご家族の了解をとってくださいね」と伝えています。判断材料となる資料も渡しますし、必要があればお話もします。
ところが、こうやって先手を打っておいても家族が反対するときは反対します。
「家族はOKした」と言って契約を進めようと本人がしても、支払の段階で、「待った」が家族からかかるのです。
事情を聞けば、家族が実は反対していた、と来るのです。さらに、ご家族の方からパック料金の「金額の内訳を教えろ」と電話までかかってくることがありました。
もちろん資料をお渡ししてますし、見積書もお渡ししています。
けど、当然それ、見せていないのね。
でも、問題は金額ではないのです。家族の心配は、「本を出版して何がしたいの」という部分で、そこにそんなに大金をつっこんでいいのか、というのが共通する意見のようですね。
だいたい次のような心配がありますね。
- うちのもんが本を書いて売れるんですか?
- 出版などしたって本は売れやしない。書くだけ無駄だと思う。
- 母親のことを本にしたって価値あるのですか?
- 本を書いて何をするの?
私は、このような意見を聞くたびにとても残念な気持ちになります。家族は家族を必ず応援するものではないのだな、という事実が多いことに。
そりゃ、本当に貧乏なのに無理して自費出版しようとするのは確かに考え物ですが、へそくりはある、貯金はあると、まあ出せないこともない、という状態ならば、本人を信じてあげればいいのじゃないかな、と思うのです。
一つは、妻だったり母親だったり、女性が本を書こうとするときに多いですね、こういうの。
ただ、決断力がある女性は、ダンナの了解など得ずに、さっさと契約して事後報告です。この場合、ダンナが何か言おうならば、「私がやりたいんだから応援してよ」と言い返す気合いがありますね。
しかし、自己否定が強く、家族の中で立場的に強くなれない人は、まず、本を出すことにOKを出してもらえません。ダンナにあれこれ言われて、自信をなくしてしまい、やむなく諦めるのです。
また、子どもが親に対して反対をすることがあります。
私は、親が自分のお金を使って本を出すのは親の勝手だろうと思うのですが、子どもにしたら親が本を出すのは、なんか違和感ありすぎというか、何を考えてるの?みたいな反応になってしまうのですね。
このような話に遭遇すると、本を書いて出版することを家族に許される方は、幸せな方だなあと思いますね。
すべては本人の気持ち次第で結果は変わる
まあしかし、何事も家族というのは否定的な面があり、反対もしっかりとするものです。
「本を書く」という大それた事をしようとすることに対して、自分がよく知っている目の前にいる人が、そんなことを考えていたのか、という驚きやわけのわからない嫉妬感などで、周囲の方たちのほうがおかしくなってしまうのだと思いますね。
だから反対する。
けど、本当に本を出版したいという夢を考えたいのならば、それぐらいのことで諦めていたら一生後悔するでしょう。
家族の中で立場が狭かったかもしれなくても、人間は誰のために生きるのですか?人のため?
自分のために、自分の意思を貫くぐらいの気力がなくては、何も成し遂げられません。
結局は、本人の気持ち次第。
本を書こうと思うきっかけも目的もさまざまでしょうが、目的があるのならばそれを達成する強さが欲しいです。じゃないと、最後まで書けないしね。
家族の反対があったとしても、本人の気持ちに気合いが入っていたら、きっとそれは伝わりますよ。
反対しながら心配しているのです。
あなたが一歩、新しい人生を踏み出すことを強く決心したら、理解してくれるはずだと私は思いますね。
だから、家族のことが原因で本を出版することを諦めている人は、もう一度自分の心と向き合ってみてくださいね。
投稿者プロフィール
-
でんでんむし出版代表 傍嶋恵子(そばじまけいこ)
1997年より、パソコン普及期に必要とされたパソコン解説書を、テクニカルライターとして13年間にわたって約60冊執筆。豊富なライティングと書籍企画経験や実績を生かして、2013年、電子書籍出版を支援する「でんでんむし出版」を設立。セルフパブリッシングを支援。また、電子書籍の普及による出版事情を考慮し、「本を書く」ということを寛容に捕らえて、現代のおける人々の情報発信の重要性に目を向けるている。「本を書く」というと、多く出版社は「本を作る」ことに焦点を置く。が、コンテンツの指導ができない出版社が多いなか、本の内容に対して指導をし、優良なコンテンツを作り上げるところを強みとしている。
最新の投稿
- ごあいさつ2019.01.23屋号変更のお知らせ
- でんでんむし出版既刊書2018.09.02kindleセレクトに参加する価値ありと判断
- でんでんむし出版既刊書2018.08.07電子書籍再販のお知らせ
- でんでんむし出版既刊書2018.08.06書籍販売終了のお知らせ