本の業者選びには細心の注意をしていこう

ブログを本にしてAmazonで出版しないかという出版勧誘に注意

こんにちは。どんな業界でもあくどい業者がいることに辟易しているでんでんむし出版の傍嶋です。

最近、やたらにブログに営業をかけてきて、AmazonのPOD(紙の本のオンデマンド出版)で本を書かないかと言う業者の話題が目に付きます。

おそらく、この会社が活動を開始したのは私が住んでいる地区で、私の周囲の知人の多くは、営業を受けていました。「この会社ってどうよ」という相談を、かなりいただいていますので、私は実態を把握しています。

正直言って、人は、セールストークに良い気分になって、「本を書いてみようかしら」という気持ちに人はなるんだ、ということは私には新しい発見でした。

このポイントは、「認められる」ということです。

誰でも認められることは嬉しいです。

細々と運営していた自分のホームページを見付けてもらえて、こうやって連絡をもらえたことが、自分のやっていることが認められて嬉しいというのですから、やはり人は、「認められたい」生き物なのだなあとよく思いました。

ただ、一つ勘違いして欲しくないのは、ブログやサイトから営業を片っ端からかけているので、決してあなたのブログが最高にいいということではないのです。誰にでも同じ言葉を言っているということです。

その証拠に、違う担当者からの営業のダブルブッキングというのも実際に耳にしている話です。

もともと、自費出版社では、「相手の原稿を褒め倒す」手段を使うところがありますから、セールストークはまず疑った方が良いと思います。

実際、この会社の契約金額は、40万から50万円ぐらいと聞きます。金額的には、紙の自費出版に比べたら格安なので、これぐらいで本ができるのならば安いと感じる人もいるわけです。でも、からくりがあります。

まあ、別に、原稿をアップできれば本は出版できるので、詐欺ではありません。

ただし、ここが出版した本の質は決して高いとは言えないです。趣味の出版ならば十分なのかもしれませんが。

セールストークで嘘はルール違反

 

ただ、この会社のやり方として良くないところは、セールストークに「嘘」が混じっていると感じられることです。いろいろな情報を組み合わせると、特徴として次のような嘘。

*Amazonとの企画出版で本の企画を考えないかという嘘

*印刷代は弊社が負担するという嘘

この嘘がまかり通るのは、最近の出版事情を知らない人のほうがほとんどなのと、専門知識がないとよくわからない部分なので、嘘をついてもバレにくいというのがあります。

たとえば、1つめの、「Amazonとの企画出版」。

これは、あり得ない。なぜならば、Amazonは出版社ではなく、書店だから。

この話だと、いかにも、「Amazonで出版することができる」と思わせがちですが、Amazonは、本を売るところです。

たしかに、個人でできる電子出版システムなどを提供していますが、仕組みの提供であって、出版社が「著者を探して本を書かせる」という業務はAmazonはやらないでしょう。

1つの会社に依存して、そんな小さな動きをする会社ではないです。もし、Amazonがそういった企画をやるとしたら、全ユーザーを対象に、平等に告知し、一般募集することでしょう。あるいは、提携している大手出版社と組んで、大きく展開するに違いありません。

ただし、やるとしたら、です。まずやらないと思います。

 

で、2つめの「印刷代は弊社が負担」とうのも嘘。

Amazonは、PODといって、オンデマンド印刷による本の受注生産ができるしくみを提供しています。

このPODが利用できるのば、出版社登録が必要なので、個人が簡単にできるというわけではないのですが、しくみとしては簡単です。

つまり、著者は在庫を持つ必要がない。Amazonに表紙や印刷用の原稿データ(DTPしたもの)を預けておけばいいのです。すると、受注が入ると、Amazonは、都度1冊ずつ印刷をして注文者に本を送付するシステムなのです。

だから、従来の紙の本のように在庫を持つ必要がありません。で、発注があれば売り上げがあがりますから、売り上げの中から諸経費を支払うのです。

売り上げというのは、本の一冊あたりの単価です。この金額の中に、Amazonへの手数料や印刷代も含まれるということです。

だから、このPODをおこなう業者は、本の売り上げの諸経費を実際の売り上げの中からAmazonに支払っているということなので、印刷代を負担というのは、身を削って負担をしているというわけではないということです。(つまり、売り上げがなければ印刷代も発生しないということ)。

まあ、それをいかにも、都合よくセールストークでお得感を出して営業しているということですね。

 

で、この会社、実際の制作業務では、編集業務を取り入れていません。

通常、出版業務には、「編集」作業はつきものですけど、ここは、「目次立て」という名目で編集まがいの作業をおこなっているようです。

 

そんなところから一つ気付いたのは、この会社は、「単にブログの内容を本にする」という部分をやっているんだなということです。

目的は、「ブログを本にしたい」と思う人の望みを叶えることではないかと感じます。

ブログを単に本にするのと、本を書くこととはちょっと違う

で、私は、電子出版を支援していますが、まったくスタンスが違います。

私は、人々が持っているテーマをきちんと引き出し、その人がターゲットへしたい人へきちんとメッセージを伝えられる本作りをすることがテーマにしています。

だから、本のコンテンツの部分をしっかりとやり、執筆を支援しています。

本を作ることが先決ではなく、本の内容をしっかりと作っていくことが先決。

原稿があれば、出版手段はいくらでも選べますから。何も自費出版でなくても、商業出版に持ちこむことだってできます。

本を書くことで大切なのは、コンテンツです。

もちろん、本を売るためにマーケティングを取り入れていくことは大切ですが、特に、自費出版の場合は、著者が本を書いて満足をする、さらに成長をすることを促さなければ、お金を投資する意味がありません。

今あるブログをそのまま本にしたいのであれば、上記の会社でも問題はないでしょう。

また、自己満足でいいのならばそれも問題はないでしょう。

「本を書く」ことを意識するのならば、本を出す目的をまず考えて!

本を書いていく上で考えていきたいことは、まず、本を書いて自分をどうしたいか、書いた本を何に役立てていくのかといった目的です。

目的が明確ならば、業者を上手に選んでいくことはできるはずです。

こういった勧誘は、「本を書く機会など一生ないから良い機会だと思って」というきっかけにはなるでしょうが、そう思うのならば、そこで、賢く判断をして、下調べをして慎重に進めたほうが良いですね。

今はいくらでもインターネットで調べられますから。心配ならば、Q&Aサイトで聞いたっていいのです。

だって、本は、一生形になって残りますから、慎重に書いていったほうが良いですね。

また、本を書くことで、それが評判をさげてしまうことがあることも知ってください。

さらに本を書いて後悔したら本末転倒ですから、慎重になって考えてくださいね。

何よりも、自分の中で満足がいく形を追求して、正しい判断をしてもらうことを願います。

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投稿者プロフィール

sobaco
sobaco出版コンサルタント・テクニカルライター
でんでんむし出版代表 傍嶋恵子(そばじまけいこ)
1997年より、パソコン普及期に必要とされたパソコン解説書を、テクニカルライターとして13年間にわたって約60冊執筆。豊富なライティングと書籍企画経験や実績を生かして、2013年、電子書籍出版を支援する「でんでんむし出版」を設立。セルフパブリッシングを支援。また、電子書籍の普及による出版事情を考慮し、「本を書く」ということを寛容に捕らえて、現代のおける人々の情報発信の重要性に目を向けるている。「本を書く」というと、多く出版社は「本を作る」ことに焦点を置く。が、コンテンツの指導ができない出版社が多いなか、本の内容に対して指導をし、優良なコンテンツを作り上げるところを強みとしている。

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